ルビコン川

亡き父が昔手紙をくれたとき、「われわれはルビコン川を渡ったのだから」という一文があって、そのころのアタシはルビコン川というのを知らなかったわけ。

70年代によく映画を見ていた父からもらった手紙、ということもあり、どうせ「戦場にかける橋」かなんかからとった川の名前を使って、父独自に考え出した比喩なんだろう、くらいに思ってた。だから、ルビコン川というのは、タイあたりの川なんだろうと信じてたの。(注:それはクワイ川です)。

まぁ、文面から「賽は投げられた」的なことだろう、というのは想像できたけど、その背景から登場人物まで、第2次世界大戦時のアジアの山の中の鉄道で、早川雪舟のようなおやじとイギリス人がでてくる画で理解してた。

だから、ルビコン川が実在して、紀元前にカエサルが渡った現イタリア北部の小川だという事実がわかったとき、ショックでホントにひっくりかえった。

だってさ、いろんな人にルビコン川をアジアの川としてアタシはしゃべってたんだよ、「賽は投げられた」的な使い方で。あぁ、恥ずかしい!!!

それからはね、なんでも一応調べることにしてる。まぁ、一応調べるってのは、現在の仕事には非常に有益なんだけどね。

しかし、親からもらった手紙に「ルビコン川を渡ったのだから、」などと書かれるなんていったいアタシは何をしたのだろうね?残念なことに手紙は紛失してしまいました。

今日のテレビ欄に「ルビコン」という文字を見つけて急に思い出した一件。