子どもを育ててきて、やっとわかったこと

まぁ、ご存じかと思いますが、私にはそれぞれ2学年違いの三人の娘がいます。
それぞれ、怖ろしいほど個性的ですし、私と夫のイヤなところをこれでもか、と言うくらい受け継いでいます。
ご多分にもれず、ありとあらゆるいろんなことに翻弄されてき続けてきた20年間の子育ては、まだいろいろ悩みに変化を持たせながら継続中です。

そんな中で、現在、4年間続いた「受験生のいる夏」の4年目を迎えて、二女が大学受験に挑んでいます。
今までの3年間、ひたすら叱咤激励の日々を送って、「全力を尽くして」「もうちょっと努力してもう一歩前へ」みたいなことをひたすら言い続けてきました。

それが、受験生の親のあるべき姿、とも思ってましたし、それぞれの娘がもう一ランク上に行くにはどのくらいの努力が必要で、その子にそれが可能かどうか、ということはきちんと見定めていたから そういうスタンスになんの迷いもなかったわけなんです。

ただ、今回の受験生、二女は高校受験の志望校を決める時から、「全力」とか「努力」とかいう切り口とは全く異なる切り口で物事を考えていたので、まぁ、それもその子の特徴だし、と無理やりではありますが納得するように心がけてきました。

彼女の考えの根底にあるもの、それは「力半分主義」です。
もともと、ぎりぎりになって走ったり、急いだりすることを嫌う5分前行動のコですが、それはひとえに全力を使いたくないという考えのもと、5分早く起きたり、5分早く出かけたりを厭わないコなのです。

高校を選ぶ際も、「努力すればもっとランクの高い学校に入ることができるのは充分わかっている。だけど、私はその学校でビリにならないために並々ならぬ努力、全力でなにもかもやらなければならない生活を3年間過ごすわけで、それは私の主義に反する。」と、必死の努力をすることなく、県立の中の下ランクの学校に中くらいの成績で入り、中くらいの努力で日々を過ごしてきました。

2年生の半ばごろ、大学を視野にいれた親子の話し合いで彼女は全く私の考えにないことを言いだしたのでびっくり。


小さいころからの夢は変わっておらず、その資格をとるために一番安くて一番簡単で一番効率の良い方法を考えて短大に指定校推薦かAO入試で入る。
ちょっと興味のある学問もないではないが、どうせ就職するのに必要以上に知識はいらないという結論に至り、4大には行かない。
決めた短大は今の成績でも充分入学できると踏んではいるが、ちょっとだけ成績を上げて、より確実なものにしたい。
もっとレベルの高いところ、と両親は言うが、一番家から近くて資格がとれ、そこそこその資格を活かした就職率も高いのだからその短大卒という経歴になんの不満も不自由もない。

これが彼女の主張です


さて、今日、高校3年生の前期の成績が発表され、さきほど、二女がメールで速報を流してきたわけですが、納得していたはずの私の心に、俄かにさざなみがたっています。
こういっては何ですが、ものすごく成績がいいのです。どうしても上げることのできない体育以外はすべて上がってます。
もちろん、県立の中の下の高校ですから成績がいいと言ってもタカが知れてるのは充分承知してます。

でも。

「このままでいいの?」 「短大に行くにしても、もっとレベルの高いところにしなくてもいいの?」私の心の中のさざなみが言います。

もとよりすっかり進路を決めた二女に今更こんなことは言えないし(もう3回は言ってるので、それ以上は彼女は耳を貸さない)、さりとてもやもやするので、ここに書いてしまった。

で、私がこの20年間力の限り努力して子育てしてきてやっとわかったことはなんなのか?を記すと以下の通りになります(笑)


○「全力でなになにする。」「力の限り努力する」という大方のヒトが目標にする生き方とは全く別の流れで生きていくヒトがいる。

○全力を尽くすことは、人間としてあるべき姿というのは必ずしもあたってない。

○「力半分主義」だからと言って、何にもしないで流れているわけではなく、力半分しか出さなくてすむための努力をしているからこそ、力半分で生きていける のだ


以上3点を私はやっと理解したのであります。

さりとて、悩みは形を変えて継続していく・・・・・・